議題1 審議会の運営について
資料1により、にいがた食の安全・安心基本計画と審議会のこれまでの経過を説明し、計画の進捗状況の点検を主な目的として今年度は1回の開催とすることについて、委員から了承を得ました。
議題2 にいがた食の安全・安心基本計画の進捗状況について
資料2及び参考資料3により、基本計画の進捗状況を説明し、県の食の安全・安心に関する施策の取組について審議を行いました。
委員からの意見・質問は以下のとおりです。
【山本委員】
施策6の「農地土壌の放射性物質検査」が平成29年度をもって廃止になった理由を教えてください。
≪県の回答≫
もともと土壌に基準は無いが、平成23年以降平成29年までの検査において、食品の基準値(100ベクレル/kg)を超えたのは、平成24年の1回のみであったこと、専門家から「このレベルであれば、土壌から米への移行を考えた場合に問題は無い」とのコメントがあったことが廃止した理由となります。
【山本委員】
県のホームページ「にいがた食の安全インフォメーション」の閲覧数減少に関連して、今年9月にリニューアルされた県のホームページにならって、「にいがた食の安全インフォメーション」もリニューアルした方がいいのではないでしょうか。県のホームページの新着情報に、毎週「にいがた食の安全インフォメーションを更新しました」という情報を載せることも有効だと思います。
≪県の回答≫
現状では、食中毒の発生や食品の回収命令に伴って報道発表した際に、県のホームページの新着情報の方にもリンクを貼るようにしています。「にいがた食の安全インフォメーション」全体の改修は、すぐには困難であるため、引き続き内容の充実を図っていきたいと考えています。
【渡辺委員】
野生の山菜やきのこは、いつになったら流通できるようになるのでしょうか。
≪県の回答≫
魚沼市、南魚沼市、湯沢町、津南町の4市町産のこしあぶらと、湯沢町産の野生きのこについては、これまでの検査で基準値を超える放射性物質が検出されたため、出荷規制の対象となっております。
これらについては、引き続き検査を実施し、安定して基準値を下回ることが確認できた段階で、林野庁等と出荷規制解除に向けた協議を行うこととなります。
なお、湯沢町産の野生きのこのうち、ナラタケについては、これまでの検査結果から、安定して基準値を下回ることが確認できたため、林野庁等と協議の上、令和元年7月に県による出荷及び食用の自粛要請を解除しましたので、現在流通可能となっております。
【佐藤委員】
「知って・もらって・HACCPキャンペーン」の平成30年度の延べ応募者数は1,875人であり、参加者数が増えていないという印象があります。キャンペーンが一般消費者に知られていない実態は非常にもったいないと思っています。
≪県の回答≫
県のホームページによる広報の他、インターネットを利用していない県民に向けて認知度を上げる工夫の1つとして、スーパーマーケット等の協力のもと、店頭掲示板による広報を行っています。
メディアを介した広報としては、11月1日からラジオCMに枠を設けての告知を開始しています。
【浦上委員】
中小規模事業者へのHACCP導入の難しさと、それに対してどのような対策を取ろうとしているかについて説明してください。
≪県の回答≫
国のスタンスは、業界団体が作成するHACCPの考え方を取り入れた手引書を活用して営業者へ導入を進めていくことであり、県が手引書を簡略化等して中小規模事業者へ指導することは認められていません。
手引書が大分揃ってきましたので、県では、県内の製造業の中でも比較的施設数が多い菓子製造業や漬物製造業の事業者を対象に実践的な講習会を開催しています。
少しずつ進めていますが、進捗が遅いとの御指摘かと思いますので、中小規模事業者については、業界団体とも連携し、支援を得ながら進めていきたいと考えています。
【浦上委員】
食品衛生監視員には事業者へのHACCP導入のサポートも期待されていると思います。
監視員向け研修会の受講率の目標が50%ということですが、県には何人くらいの監視員がいて、具体的にどのような役割を期待しているのかを教えてください。
≪県の回答≫
概ね60人程度いる保健所の食品衛生監視員数の半数ずつに、毎年この研修を受けてもらっています。2年に1度で全員が受けられるくらいの割合で、50%と設定しています。
今年度受けた者が、所属に戻った後、他の監視員に伝達することを繰り返すことにより、スキルアップに繋げていきたいと考えています。
また監視員は、営業施設の許可検査や監視に行った際、HACCP導入の支援を行います。
【石田委員】
「にいがた食の安全インフォメーション」について、新潟県が情報発信したい内容と、スーパーマーケットの来店客が知りたい内容に、まだまだ差があると感じます。
例えば、きのこ講習会の開催、手足口病の流行、CSF(豚コレラ)のニュース報道等、タイムリーな話題で、客が関心を持つような情報を発信していただいて、この差を縮めていただければと思いますので、検討していただきたいと思います。
≪県の回答≫
例えばCSF(豚コレラ)については、食肉の安全性には問題は無いのですが、消費者が何を知りたいのかをもっと考えるべきと思いますので、今後とも、我々が発信する情報の中身について、よく考えていきたいと思います。
【市川委員】
HACCPについてですが、農林水産省及び厚生労働省の補助事業により、業界団体の方に講習会を受けていただきました。説明が難しかったからか、重く受け止められる受講者が非常に多くいたようです。
新潟県は全国的に見ても「食の安心・安全・五つ星事業」が非常に進展しており、この取得業者はHACCPに沿った衛生管理をしているものとみなすと厚生労働省からお墨付きをいただいています。
全国では42都道府県並びに政令市が、「食の安心・安全・五つ星事業」に取り組んでいますが、新潟県が発祥の地の取組ですので、私もその普及活動に引っ張り出されて、全国を飛び回っています。
≪県の回答≫
飲食店営業は、県内に16,000軒前後あり、食品営業者全体の約半分ぐらいの数になると思います。そこにHACCPを導入するというのが、一番大きなポイントになると思っていますので、今後も食品衛生協会と連携しながら、特に飲食店営業へのHACCPの導入について、力を入れていきたいと思っています。
【高内委員】
事業者の皆様には、とにかくHACCPの必要性について、きちんと分かっていただく必要があると思います。
導入することが目的ではなくて、導入することによって、食の安全・安心を担保しましょうという手段であるわけです。まずは上流側の製造者側に、それから流通販売業者、飲食店に取り組んでいただき、食べる側の私たちも、それを踏まえた上できちんと管理保管して、作って食べるなど、各段階で食の安全・安心を担保するために取り組むべきことがあると思います。
その時、やはりおおもとになるものとして、HACCPがあるのだという認識を、あらゆる層に発信した上で浸透させていくことが非常に重要だと思っています。
【浦上委員】
中小企業の場合、記録を今まで全くつけていないわけです。だから私は、「記録ではなく証拠なので、つけていないといざという時に困ることになる」と言いたいのです。
手引書に基づいて書類管理をまず行うことが基本だと思いますので、それを行っていないところには、なるべく取り組みやすいような形で導入、指導をお願いしたいと思います。
【市川委員】
記録に関しましては、新潟県内の営業者は、平成元年から管理記録簿を持っていますので、記録をつけるということはある程度習慣づけされています。県内の3割ぐらいの営業者が、ずっと記録をつけているので、HACCPを導入することは、他県に比べてさほど難しくはないと感じています。
≪県の回答≫
新潟県内で食品営業を行う際に、管理記録簿を買っていただいて、保健所や食品衛生協会の方で年に何回か記録がつけられているかどうかを確認しています。
市川委員から「3割ぐらいの営業者」とありましたが、7割から8割くらいの営業者は記録をつけている状況です。他県にこのような管理記録簿を作成しているところがあまり無いので、新潟県の場合、記録をつけること自体には、そんなに抵抗は無いものと思っています。
【高内委員】
指標15の「食の安全・安心に関する講習を『非常に有意義』と評価した利用者の方の割合」が38.8%ですが、「有意義」を含めると9割という説明がありました。
世論調査でのプラス評価、マイナス評価の判断を参考に、何かの機会で指標15について「非常に有意義」と「有意義」の割合としてもいいのかもしれないという気がしました。
【城会長】
私も全く同感ですが、「有意義」を合わせると9割ということで、肯定的に捉えている方が大部分であると思います。こだわりがあるのであれば、「非常に有意義」という形であるわけですが、実際にアンケート取られている方の目線ではいかがでしょうか。
≪県の回答≫
「非常に有意義」とした経緯についてですが、もともと「非常に有意義」と「有意義」を合わせると、以前から8割から9割であったようです。それを指標にしても、増えないし変わらないということで、戦略的にもっと果敢にチャレンジする目標として、「非常に有意義」に設定したと聞いていますが、なかなかそこが伸びなかったのが現実のようです。
来年度は計画自体の見直しの年度になりますので、その際に今日の意見も含めて指標の見直し等の参考にしたいと思います。
【城会長】
成果指標「新潟県内で生産・加工・製造された食品が安全だと思う県内の住民の割合」について、既に令和元年度の値が、県内で87.4%、県外も78.9%で、基準年度からかなり高い値を維持しています。「これ以上、上がるのだろうか」、「この指標がもう適当なのだろうか」と思うところですが、事務局の方では、どのようにお考えでしょうか。
≪県の回答≫
今後上げていくのが難しいのではないかという意見を含めて、来年度評価するものと思っています。県民の8〜9割から安全だと言ってもらっている状態が続いていれば、行政としてはそれで十分ではないかとの考え方や、やはり100%を目指すという考え方もあるかと思います。
来年度の結果を見ながら、計画改正の中で検討したいと思います。
【城会長】
今の意見と関連して、アンケート調査の問1で「どちらとも言えない」、「どちらかと言えば安全とは思わない」、「安全だとは思わない」と回答した方に対して、問2でその理由を問う質問でも、ここでも「よく分からない」と「どちらともいえない」という結果で出ています。
次年度は、「どちらともいえない」と「どちらかと言えば安全とは思わない」、「安全だとは思わない」で分けて質問し、さらには具体的に「なぜ安全だと思わないのだろうか」を、記述式で構わないので、設けることによって具体的になるのではないかと思いました。参考にしてください。
【口委員】
私ども漬物組合には県内32社が加入していますが、平成29年度の産業統計では、漬物事業所は60社となっています。残りの非組合員28社に対しては、なかなか指導できないところですので、県あるいは食品衛生協会に指導をお願いしたいと思います。
【市川委員】
漬物製造が許可業種になるのか届出業種になるのか、まだ分からない状況ですが、食品衛生法改正後に届出だけで済む業種も増えるようです。
営業許可を取っていないところにも食品衛生協会が指導に行けるように、食品衛生推進員制度を進めていただきたいです。
【田村委員】
HACCPのモデル事業者が4業種ということでしたが、もっと全体をカバーできるように、他の業種にも広げるとか、何かお考えがあれば、教えてください。
≪県の回答≫
平成30年度は4業種ということでしたが、毎年4から8業種ほど継続してきましたので、それぞれの業態での進め方を工夫していきたいと考えています。
報告 「食品衛生法等の一部を改正する法律」の公布について
資料3により、食品衛生法の改正についての概要を報告しました。
委員からの意見・質問は特にありませんでした。 .
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