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農薬の使用について

農薬の使用について

農産物に対する消費者のニーズ

私たちは心身共に健康に生活するために、毎日米やパン、野菜や果物、畜産物、水産物といった食品を摂取しています。

これまで私たちは食品に対して「美味しい」「品質がよい」「価格が安い」「年間を通して購入できる」等を求めてきましたが、近年ではさらに健康志向や食に対する意識の高まりから「安全」「安心」への関心が大きくなっています。

食品に対して求めるものの流れ
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農薬と農産物

農薬を使わないと、農産物は病気や害虫、雑草によって収穫量が減少したり、品質が低下したりすることがあります。

(表1)防除を行わずに栽培した場合の病害虫・雑草による減収(日本植物防疫協会「農薬概説改訂版2004」より引用)
作物 調査事例数 減収率(最大) 減収率(最小) 減収率(平均)
水稲 11 100% 0% 28%
大豆 8 49% 7% 30%
りんご 4 100% 90% 97%
とまと 6 93% 14% 39%

注意 : 表1の事例は栽培の都合上、完全無農薬ではなく、土壌消毒、種子消毒、育苗箱処理を実施した場合が多い。

(表1)の例のように、作物によっては約30〜100%収穫量が減少することもあり、農産物を安定的に生産・供給するために、栽培の過程では各種防除を行っており、その防除手段の一つとして農薬による防除を必要最小限実施しています。

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農薬の使用基準

農薬は「農薬取締法」という法律で、製造、輸入から販売、使用までの全過程において安全性の確保について厳しく管理されています。

農薬は全て登録が義務づけられ、登録の際には、効果や作物への安全な使用方法(使用基準)が定められています。これらは農薬の容器やラベルに必ず記載されており、生産者は、この使用基準に従って農薬を使用しています。

(表2)作物と農薬の使用方法の例
農薬名 作物名 適用病害虫 10a当たり使用量 使用時期(収穫前) 使用回数 有効成分を含む農薬の総使用回数 使用方法
A 水稲 いもち病 3〜4kg 21日前まで 2回以内 2回以内 散布
B 大豆 紫斑病 3〜4kg 14日前まで 4回以内 4回以内 散布
C キャベツ 黒腐病 6〜9kg 定植時 1回 1回 全面土壌混和
D ダイコン アオムシ 3〜5kg 14日前まで 6回以内 6回以内 散布
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ポジティブリスト制度について
残留農薬等のポジティブリスト制度とは、これまで基準が設定されていなかった農薬等が一定量(=0.01ppm)を超えて残留する食品の販売等を原則禁止する制度です。原則規制(禁止)された状態で使用を認めるものをリスト化しました。
   ポジティブリスト制度の詳しい解説はこちらをクリックしてください。
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トレーサビリティ・システム

トレーサビリティ・システムとは、トレース(追跡)とアビリティ(可能)を合わせた造語で、農産物の生産方法や流通経路についての履歴の確認を目的とした仕組みをいいます。

県内でも、農産物の生産にあたって農薬の使用について記帳し、正しい使用方法に基づいて生産されたものかを確認した上で出荷する生産者、産地が増えています。

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残留農薬の安全性評価

農薬には、農薬の有効成分ごとに作物に残留が許される量が「農薬残留基準」として設定されています。(一部、設定されていないものがありますが、順次設定される予定です)

「農薬残留基準」は、動物実験等を行い、毒性が認められない量を求め、さらに人間と動物の違い、個人差等を考慮した不確実係数を乗じて、体重1kg当たり許容一日摂取量(ADI)とし、これを基に大気や水、各作物等から摂取される残留農薬の摂取量の総計等を踏まえて設定されています。

動物を用いた毒性試験
を経てから
無毒性量(NOAEL) (毒性変化が認められない量)
を計算し 不確実係数(100分の1)
体重1kg当たり許容1日摂取量(ADI) (人間が生涯にわたり仮に毎日摂取し続けても危害を及ぼさないと見なせる農薬の摂取量)
を割り出す
農薬残留基準 (農薬の成分ごとに作物に残留が許される量。大気や水からの摂取を考慮して、各作物の残留農薬の総計がその農薬のADIの8割以内となるように設定)
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「農薬」の便利リンク

農薬についてさらに詳しいことを知りたい場合は、以下のホームページをご覧下さい。

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