議題1 本年度の審議会の運営について
資料1により、にいがた食の安全・安心基本計画と審議会のこれまでの動きを説明し、本年度の審議会の運営について審議を行いました。
委員からの意見・質問は以下のとおりです。
【城会長】
今年の3月に計画を改定したわけですが、前期から今期にかけてどのような変更がなされたのか説明をお願いします。
≪県の回答≫
前回の計画では、施策の体系といたしまして、13本の施策、それから20の取組指標を掲げまして食の安全・安心に関する取り組みを実施して参りましたが、20という取組指標数が多く各施策の達成度の目安には少々わかりにくいものもありました。また、社会情勢の変化により現状の指標として適さなくなってきたものもありましたので、施策と取組指標の統廃合を行いまして現在の10の施策と13の取組指標にしたところです。
統合の一つの例として、平成23年に発生した福島第一原子力発電所の事故に伴い食品の放射性物質検査に力を入れていくということで一本の施策としたところですが、近年、食品の放射性物質検査に関する県民等の不安も徐々に薄らいできたことから、これを他の施策に統合しました。
それから前回の計画では、一つの取組指標が複数の施策の指標に跨って設定されており、わかりにくいところもありましたので整理しました。
また、前回の計画では、食品衛生の国際標準であるHACCPの推進を重点取り組みに位置付けていました。この点については、国で食品衛生法の改正が行われ、令和3年6月からは原則としてすべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理の実施を求めるということに変わりましたので、食品事業者に改正食品衛生法の新制度の普及を図るとしました。この中でHACCPに沿った衛生管理の実施も普及を進めていくということで、さらにそれが消費者の安心に繋がるような情報発信していくということを重点取組としております。
議題2 にいがた食の安全・安心基本計画の進捗状況について
資料2により、にいがた食の安全・安心基本計画の進捗状況について審議を行いました。
委員からの意見・質問は以下のとおりです。
【横尾委員】
成果指標が大きく下がったことですが、低くなった理由がわからない中で、数値を上げるというのは大変かなとの考えを持つのですが、令和4年度急に下がってしまったのは、統計上の何かがあるのか、そういうことも含めて説明があればお願いしたいと思います。
≪県の回答≫
成果指標の県内数値が昨年度に比べると8ポイント程度下がったことについては、正直なところはっきりとした理由はわかっておりません。
ただ、ほかの項目で推測をしていくと食の安全・安心を脅かす大きな事件事故がない状態が長く続きますとあまり食の安全を意識することが減ってくるのかなと。そのためこういう問いを受けても、あまり考えたことないから「どちらとも言えない」と回答する人が増えてきているのではなかろうかと推測をしているところです。
【笹川委員】
認証GAPといっても、日本版のJGAPとかグローバルGAPとかいろいろあります。この指標の場合は、一切合切含めてGAPの認定農場数を増やすという目標値でよかったでしょうか。内訳として、例えば「グローバルを増やしていく」とかはもともと位置付けてないということしょうか。
≪県の回答≫
JGAP、グローバルGAP、アジアGAP、この三つのGAPを総称してGAPと位置付けて推進しているところです。輸出を希望されるような方がグローバルGAPの取得を目指すでしょうし、安全・安心なものとか、働きやすい環境づくりという部分でGAPをするんであれば、JGAPでとどめるっていう方も当然いらっしゃいますので、それぞれ目的に合わせて取っていただければ、私どもとしては問題ないということで、特に割合は示していません。
【城会長】
取組指標の4番や5番では、目標値である100%を大幅に超えて162%、161%とか、高い数字になっていますが、どのような形でこういう高い数字になっているのか、御説明いただきたいと思います。
≪県の回答≫
新潟県食品衛生監視指導計画で設定した監視数に対する実施率というふうに資料に記載しておりますが、この食品衛生監視指導計画といいますのは、食品衛生法に基づき毎年、都道府県が策定するもので、いろんな食品施設の監視や流通食品の検査を行っております。毎年策定する計画ですので当然その年によって少しずつ変わります。
令和2年度までの計画は、いわばより多く飲食店や食品製造施設を監視するといった性格の計画でしたが、令和3年6月からHACCPに沿った衛生管理を原則すべての事業者にやっていただこうという法改正があり、HACCPに沿った衛生管理がちゃんとできていますかというところを丁寧に営業施設に説明するにはそれなりの時間がかかるということもあって、令和3年度の計画からはHACCPの指導、助言をさせていただくことに時間を大幅に割くだろうことから監視数を少なめに計画したところです。
ただやはりHACCP普及の初年度だから頑張ってやっていこうということで、新潟県食品衛生協会の指導員の方々とも連携をとり巡回指導をした結果、162%という高い割合になったということです。
【城会長】
指標の8「事業者向けホームページの閲覧数」について、HACCP関係で色々見たいということでの増加とみればよいのでしょうか。
≪県の回答≫
食の安全情報に特化したホームページ「にいがた食の安全インフォメーション」を県で運営しているのですが、その中の事業者向けページは主に営業許可の手続きや届出様式等が見られるページです。これまでの事業者向けページの閲覧数の推移から5,000回という目標を設定したところですが、令和3年度に大きく増えているのは食品衛生法の改正で営業許可業種が変わるとか、営業届出制度が新しくできたことに伴って多くの事業者が情報を得ようとして、たくさんご覧になったからということです。なお、令和4年度のカウント数を見ると令和3年度のベースからは落ちてきており、制度が定着し始めればページを見る方も減るということが要因であったと思われます。ただ、この事業者向けページについては、今後もよりたくさんの事業者にコンスタントに見ていただくことを目指して、より役に立つ有意義な情報を入れていきたいと考えております。
報告1 令和4年度食の安全に関するアンケート調査結果について
資料3により、令和4年度食の安全に関するアンケート調査結果について報告を行いました。
委員からの意見・質問は以下のとおりです。
【西山委員】
アンケートの調査時期が8月・9月ということです。今年は4月ぐらいから、食品も含めてあらゆるものが値上がりしているので、もしかしたらそっちの方に心配、関心が向いて、結果として、安心・安全について考える余裕がなくなってきているのかもしれないと、これはもちろん仮説ですけれども、そういった可能性がもしかしたらあるかもしれないと思いましたがいかがでしょうか。
≪県の回答≫
西山委員のおっしゃられた世界情勢、食品の値上がりについては、データ的な裏付けはないのですが、消費者の心配はあろうかと思います。今後のアンケートの採り方についても、そのあたりを加味しながら引き続き注視していきたいと考えております。
【西山委員】
それともう一つ申し上げたいのは、県の方々も安全・安心の普及に尽力されていると思います。要は、さぼっているせいではなく、どうしようもない状況になっているのではないかなということを申し上げたいわけです。皆さん大変頑張ってらっしゃるなと思いましたので、自治体のせいではないのではないかと思った次第です。
【河上委員】
食品の安全性についてのアンケートで、「どちらとも言えない」という選択肢は、非常にファジーで、アバウトで、真剣にアンケートに取り組まない人も選びやすい項目です。「どちらとも言えない」という項目は設けなくてもよいのではないかと感じています。
≪県の回答≫
河上委員の御意見も、もっとだなと思ったのですが、各年の変化をずっとこの選択肢で見てきたところであり、すぐに変えるかどうか判断はつきませんけれども、御意見は参考にさせていただいて、今後もアンケートを進めていきたいと思っております。ただ調査会社の方にもこの選択肢のとり方などについて、アドバイスもいただいた中で、来年のアンケートをやっていきたいと思います。
【光永委員】
紙のアンケートと比較すると、インターネットのアンケートは、言い方あんまりよくないかもしれませんが、雑になるという話を聞いたことがあります。インターネットによるアンケート結果を見てみますと、「どちらとも言えない」という回答が、若い世代で多いような気がします。アンケートについて、若い人はサクサク回答することに慣れていて、それにより何らかの影響が出たのかなと思ったりもしました。それから、こういった時代なので、食べ物に対する漠然とした不安があって「どちらとも言えない」としたのかなという気もしたところです。
≪県の回答≫
アンケートのとり方について、以前は紙を配って、それに書いてもらって、集計していたのですが、今はたくさんのアンケート協力者を抱えたインターネット専門の調査会社にお願いをしています。限られた予算の中で、できる方法としてはこのやり方ですが光永先生のお話も参考にしながら進めていきたいと考えております。
【田村委員】
質問項目の件についてですが、学内の先生でもネットの会社を使われている方がいらっしゃいますが、調査対象者がちゃんと答えているかどうかを確認するために、アンケート途中で、「必ずこの質問には『はい』と答えてください」と入れていることがあったのでその辺りも少しご覧いただければと思います。
もう1点、「どちらとも言えない」とかのほかに、具体的に答えてくださっている方もいます。「生産者が信用できない」にチェックを入れている方もいるのですが、具体的にどんな食品とか、どういうものをイメージされているのかが気になります。何を想像されて、信用できるとか、信用できないと回答してくれたのかとか。新潟のものを知らないと答えている方がかなり多いですが、具体的にこういうものもある、こういうものもあるというのを入れていくと、「実はこれ新潟のものだったんだ」と、アンケート通じて伝えられるかなと思ったところです。意見です。
【小林委員】
田村先生と同じで5ページの問2のところで、新潟県内で生産・製造された食品のことをよく知らないというところがまだまだ多いなと思ったのですが、県内は随分改善されてきているのでこの辺のPRっていうのは大きいものがあったのかなと思います。ただ首都圏の半分以上の方が県内で製造されたものを、あまりよく知らない。私、県内出身ではなく、首都圏にいたもので、「新潟県のおいしい食べ物ってやっぱり安全なのだろうな」というイメージも強かったものですからぜひアピールしていただければなと思います。
≪県の回答≫
アンケートをとることで新潟県のPRにも役立てるというのは、すごくいい方法だなと思いましたので、今後の参考にさせていただきたいと思います。
【河上委員】
食品衛生協会の河上です。15ページにHACCPの認知度についての結果が出ています。自己紹介でも愕然とした数字であると申し上げたところでありますが、私自身は一生懸命やっているつもりでも、結果が全く伴わなければ、あんたのやり方間違っているのだということになるのだろうと思うんですね。県内13の保健所には、それぞれに、食品衛生協会が置かれております。11月に、それぞれの課長や指導協議会長が集まる事務事業検討会という会議が開かれます。その年の行事の総括や、来年度に向けてのことを話し合う会議なのですが、その会場に県の食品衛生協会の上と言えばいいんでしょうか、日本食品衛生協会からの役員さんが見えられます。
HACCPは義務化されていますし、五つ星事業についても全国規模で展開されているので全国規模の情報発信PRのお願いを毎年しているのですが、なかなか動いてないところもありますので、またさらにお願いをしようかと思っております。
先ほどのGAPのお話で、やっている方がしっかりと制度を認識して取り組まなければならないというようなお話がございましたが、食品衛生協会に関するHACCPも全く同じことで、事業として数が多ければ多いほどよろしいとは思うのですが、事業者の方がHACCPという衛生管理をしっかり認識をして理解をしていただかないと先に進まないというところもございますので、もう一度真剣に考えて、何とかこの認知度を上げるべく取り組んで参りたいと思っております。よろしくお願いいたします。
≪県の回答≫
今後もスーパーマーケットの店頭掲示板にHACCPのことを消費者向けにわかりやすく発信するなど、地道な取り組みで少しでも知っていただければと考えております。
【山崎委員】
新潟県消費者協会の会員は、もともと食の安全・安心に非常に興味のある人たちが多いのですが、会の悩みの一つが皆の高齢化です。高齢者の方が、ICTに疎いということでIT化がなかなか進まないのです。インターネットによる調査で、調査会社さんが抱えいてる人たちから取ったアンケートということになりますと、うちの会員なんかはほとんど漏れているんじゃないかという感じがしますので、できたらその辺りの層の意見もくみ取れるような形を考えていただきたいなと思います。
【城会長】
貴重な御意見だと思うのですが、調査の対象というのは変えることはできるのでしょうか。インターネット調査依頼先があるので、そこで抱えている回答者に限定されているのですが、プラスアルファで増やすことはできるのでしょうか。
≪県の回答≫
インターネットを普段利用なさらない方々からの御意見を集めようとなりますと、郵送でアンケート用紙を送って、御協力いただけるということであれば、返信していただく方法になろうかとは思いますが、紙でのアンケート調査は回収率がよくないということがありました。統計的にそれなりの精度を持った値を取ろうとするとやはり500人規模の回答が必要になってくるので、どれぐらいのコストとなるか今はわかりませんけども郵送によるアンケートで500人のデータを取ろうとなると相当のアンケートの枚数を配らなければなりません。
ただ、インターネットに偏った御意見ではどうなのかなということも、もっともな御意見だと思いますので、そこも含めて今後の意見の把握方法についても考えていきたいです。
【石田委員】
このアンケートで安全性についてということですが、例えば生産者が「GAPやっています」、「HACCPやっています」と言っても、また、「作業場は安全で衛生的なものです」といった製造での取り組みは本当に必要不可欠なものであるかと思いますが、それをしたから、アンケートの回答者が新潟県産は安全ですというところには結びつかない。
やっぱり新潟県産のものを手に取っていただいて、食べていただいて、「美味しかったなあ」というアクションが非常に大事で、ビール飲んだときに枝豆を食べたら、「あれ、新潟県産だったよ」とか、「送られてきたル・レクチェが新潟県産だったんだよ」というところから始まるんじゃないかな、名物づくりって必要なんじゃないかなっていう感覚で、このアンケートの「新潟県産食品を知らない」が大きく下がるのではないかなと思っております。
今回ちょうどタイミングよく新之助のイベントがテレビで大々的に取り上げられていて、新潟日報の新聞にも出ていますし、ネットニュースにもたくさん取り上げられていて、そこのバック(背景)には「新潟県」という文字も書いてあるイベントでした。今の時期の新潟県内のスーパーマーケットには新之助がほとんど置いてありますが、首都圏の方って、それを見て手に入れることができる状況にあるのだろうか。せっかく素敵にイベントをやっていっても、首都圏の方が新之助を買ってみようと思っても、どこかの高級デパートに行かなければ買うことができないというのであれば残念。しっかりと、名物づくりじゃないのですけれど、そういうところのアクションも当然並行してできたらいいのだろうと思ったことが、最近のニュースでした。
報告2 県の情報発信の取組について
資料4-1及び4-2により、県の情報発信の取組について報告しました。
(配付資料のほか、県内畜産農家の取組に関するPR動画、並びに県内の漁業及び水産流通等に関するPR動画を紹介)
報告2について、委員からの意見はありませんでした。
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