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ここに記載の用語解説は水俣病関連年表(水俣病の歴史)に用いられた用語を解説しています。「水俣病の歴史」のページも併せてご覧下さい。 |
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■ 阿賀に生きる
阿賀野川の川筋で暮らす人達のドキュメンタリー映画。92年度キネマ旬報日本映画ベスト・テン第3位作品。監督:佐藤真。環境と人間のふれあい館で閲覧可能。
■ 阿賀野川
福島県、新潟県を流れる一級河川。全長210kmは日本第10位、流域面積7,710km2は日本第8位。また、下流部の流量は日本最大級である。
■ アセトアルデヒド
酢酸や酢酸ビニルなどの中間製品として製造された。酢酸は繊維、香料、医薬品などに、酢酸エチルは粘着材料、塗料などの溶剤にと生活の中に幅広く利用されている。
■ アミン中毒説
水俣湾の貝の腐汁をネコやネズミに注射すると水俣病と似た症状をしめしたことから、この腐汁中のアミン類が水俣病の原因ではないかとの説。 |
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■ カーバイド
カーバイト(CaC2)は生石灰(CaO)とコークスを混ぜて焼くと生成される。水と反応してアセチレンのガスを発生する。化学肥料の原料としても使用された。
■ 解決協定
政府の「最終解決案」に基づき解決協定が締結され、新潟水俣病第2次訴訟は和解となった。
■ 環境再生啓発施設整備
この計画により「環境と人間のふれあい館」が建設された。計画書の策定にあたっては新潟水俣病被害者の会などが参加した策定委員会で議論された。
■ 環境庁
日本の中央省庁のひとつ。地球環境保全、公害の防止、廃棄物対策、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全を図ることを任務とする省庁。1971年発足。
■ 関西訴訟
かつて水俣湾周辺で生活し水俣病に罹患したと主張する関西在住の原告らが、チッソ㈱、国、熊本県を相手取り損害賠償を求めた訴訟。唯一、1995年の政治解決を選択せず判を継続し、2004年最高裁で勝訴した。
■ 棄却者9人の処分取消
⇒行政不服審査請求へ
■ 行政不服審査請求(公害健康被害補償不服審査会)
水俣病の認定申請を棄却した処分を不服として異議を申し立てをおこなうこと。公害健康被害補償不服審査会で、認定申請を棄却した処分が適正か審査をおこなう。
■ 魚介類採捕規制
1965年7月1日から阿賀野川下流(横雲橋から河口までの約14Km)で魚介類の採取を禁止し食べないよう指導した。同年8月31日に圧はサケ・マス・アユなどの遡河性魚類にいては採補禁止を解除した。さらに、1966年4月には上流の魚にも多量の水銀が検出されたことから横雲橋上流の魚につても食べないよう指導した。1978年4月に解除された。
■ 魚介類の水銀の暫定的規制値
厚生省が定めた水銀汚染防止対策のための規制値。0.4μg/g(ppm)を超える場合、さらにメチル水銀の検査を行い、0.3μg/g(ppm)を超えたものが暫定的規制値を超えた魚介類と判定される。
■ 原告勝訴、確定(新潟水俣病第1次訴訟)
新潟水俣病の原因は昭和電工の工業排水が原因であること」と「昭和電工は1961年暮れ頃までには熊本水俣病の原因が工場排水であることを知っていたにもかかわらず工場排水を流し続けた過失がある」との判決が確定した。
■ 現時点で和解勧告に応じることは困難
裁判所の和解勧告に被害者団体及び熊本県は和解に応ずる態度を表明したが、政府が和解拒否の崩さず、和解は不成立に終わった。
■ 公害健康被害補償不服審査会
⇒行政不服審査請求へ
■ 公害健康被害補償法
正式名「公害健康被害の補償等に関する法律」。公害健康被害者を保護することを目的に作られた旧法の「公害に係る健康被害者の救済に関する特別措置法(昭和44年法律第90号)」に代わって1973年に制定された法律で、1987年の法改正で現在の名称に変更された。
■ 公害対策基本法
日本の4大公害を受けて制定された公害を規制する法律。1967年8月3日施行、1993年11月19日、環境基本法施行に伴い廃止。
■ 公害とたたかう
新潟水俣病第1次訴訟の記録映画。被害者自身の実践活動が記録されている。
■ 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法(旧法)
公害による健康被害の救済を目的とした法律。都道府県や産業界が医療費、医療手当、及び介護手当を費用負担、給付することを定めた。
■ 公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法の認定について
「71年判断条件」といわれるもの。疑わしきは救済するとの方針から水俣病を否定できない場合は水俣病と認定とした。
■ 工場排水が原因と断定するには不十分
厚生省特別研究班の疫学班では、「原因は鹿瀬工場の廃水中のメチル水銀」との見解がまとめられたが、関係省庁合同会議で結論は保留されることとなった。
■ 公序良俗違反
民法第90条に規定があり、ある行為が法律の明文に反しない場合であっても、その行為が社会的妥当性をもたないものである場合には、これに対して法律的効果 を与えないという規定。
■ 厚生省
医療・保健・社会保障を管轄する国家行政機関。2001年、中央省庁再編に伴い厚生労働省となった。
■ 後天性水俣病の判断条件について
「52年判断条件」と言われるもの。手足のしびれなどの感覚障害のほか、運動障害など2つ以上の症状の組み合わせが必要とした。
■ 今後の水俣病対策について
医療対策等の一層の充実や水俣病発生地域の再生・融和(もやい直し)の促進等を行い、すべての水俣病被害者の人達が地域社会の中で安心して暮らしていけるように関係地方公共団体と協力し対策を講ずるとしている。この対策にもとづき保健手帳の申請が再開された。 |
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■ 最終解決案
被害者の救済が進まず、「生あるうちに救済」をと早期の解決が望まれたなか、解決案が示された。解決案は国と熊本県が「遺憾の意など何らかの責任ある態度を表明する」「一時金の支払い」などが、盛り込まれていたが、未認定患者が水俣病と認定されることはなかった。
■ 酢酸
脂肪酸の一種で、簡単なカルボン酸のひとつ。純粋な酢酸は融点約 17 ℃。
■ 酢酸工場水銀滓(すいぎんさい)
酢酸工場の水銀のスラッジ(沈殿物・汚泥)。黒褐色の泥のようなもので、金属水銀がきらきら光っていた。
■ 受胎調節
毛髪の水銀値が50ppm以上の女性に妊娠を控えるように指導した。受胎調節指導には、胎児性水俣病の発生を防ぐことに有効であったという評価がある反面、女性や胎児に対する人権侵害であると批判する意見もある。
■ 食品衛生法
食品の安全性の確保のために公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ることを目的として制定された法律(昭和22年法律第233号)。第6条(旧第4条)で人の健康を損なうおそれがあるような食品の販売や販売を目的とした採取や製造を禁止している。
■ 昭和電工株式会社
日本の化学工業会社の一つ。日本電気工業と昭和肥料の合併により、1939年6月に設立。
■ 昭和電工鹿瀬工場
新潟県東蒲原郡鹿瀬町(現同郡阿賀町)にある昭和電工株式会社の工場。第二水俣病の原因企業。
■ 小児水俣病の判断条件について
この通知により、水俣病の認定基準はすべて明確に公式化された。
■ 触媒
それ自身は変化することなく化学反応を促進させる物質
■ 新日窒水俣工場
新日本窒素肥料株式会社(現チッソ)の水俣工場の略称。第一水俣病の原因企業。
■ 水銀
原子番号80の元素。元素記号はHg。金属元素である。 常温、常圧で液体である唯一の金属元素で、銀のような白い光沢を放つ事からこの名がある。
■ 製造工程図を焼却し、製造プラントを撤去
新潟水俣病が1965年5月31日に公式確認された後、1年余りの間にアセトアルデヒド製造工程図及び製造プラントが処分されており、原因究明の支障となった。
■ 関川水系の調査
視野狭窄を呈する者がなかったことから関川における水俣病の発生は否定された。 |
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■ 胎児性水俣病
妊娠中の女性がメチル水銀化合物を蓄積した魚介類を食べると、メチル水銀化合物が胎盤を介して胎児の脳に障害を与え、生まれながにして水俣病を発症することがある。これを胎児性水俣病という。
■ チッソ株式会社
日本の化学工業の会社の一つ。新日本窒素肥料株式会社の後身。
■ チッソ水俣工場
熊本県水俣市にあるチッソ株式会社の工場。第一水俣病の原因企業。
■ 中・上流域から初めての認定患者
当初、新潟水俣病は阿賀野川下流域のみで発生していると考えられていたが、阿賀野川全域で患者が発生していた。
■ 通産省
通商産業省。日本の中央省庁のひとつで、経済及び産業の発展並びに鉱物資源及びエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図るのが目的。2001年の中央省庁再編で、経済産業省となった。
■ 特別医療事業
法の施行後に認定申請を棄却され、かつ四肢の感覚障害がある者に医療費給付行う制度。再申請を行うと適用から除外されることから、認定棄却者の再申請を抑制し、未処分者数の増加を解消する意図もあった。新潟県は認定申請の未処分者数が少ないことを理由適用を除外された。 |
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■ 内閣総理大臣が水俣病問題の解決に当たっての談話を発表
この談話で「遺憾の意」を表明した。
■ 新潟水俣病共闘会議
被害者団体、弁護団、新潟県評、地区労、社会党、共産党など15団体で結成される。後に17団体となる。全国連(水俣病被害者・弁護団全国連絡会議)と連携を取りながら裁判闘争を主軸に据えた広範な運動を展開。
■ 新潟水俣病第1次訴訟
「新潟水俣病の原因が昭和電工排水が原因であること」及び「熊本水俣病の原因が工場排水であることを知りながら工場排水を流しつづけた責任」を争った裁判。日本初の本格的な公害裁判。
■ 新潟水俣病第2次訴訟
「熊本水俣病の原因を知りながら昭和電工鹿瀬工場に排水規制等を行わなかった国の責任」と「水俣病の病像(どのような症状の患者を水俣病患者と認定するか)」などが争われた。
■ 新潟水俣病のあらまし
⇒「新潟水俣病を伝える」ページでご確認ください
■ 新潟水俣病発生の公式確認
新潟大学から新潟県に水銀中毒患者発生の報告があった1965年5月31日が新潟水俣病の公式確認日となっている。
■ 新潟水俣病被害者の会
認定申請を棄却された被害者が集まった組織。昭和電工を相手に新潟水俣病第2次訴訟を提起。現在は①水俣病の経験と教訓を後世に伝えること、②安心して医療にかかれる態勢をつくること、を運動の柱に、資料館での語り部や新潟水俣環境賞に取り組んでいる。
■ 新潟水俣病被害者の会環境賞
1997年に、新潟水俣病被害者の会により、水俣病など公害問題の調査研究や啓もう活動に功績を挙げた個人と団体を表彰するために創設された賞。
■ 新潟水俣病問題に関する協定書
新潟水俣病第1次訴訟の判決を受け結ばれた協定。補償の対象は訴訟に参加した患者のみならず、認定患者すべてを含んだ。
■ 認定審査会(認定申請)
個々の認定申請者が水俣病かどうかについて審査し知事(市長)に答申する委員会。委員は医師等で構成されており、この答申を受け知事(市長)は認定処分を行う。水俣病患者と認定(認定患者)された被害者は原因企業からの補償対象となった。審査を受けるには被害者の自己申告(認定申請)が必要。
■ 認定申請
⇒認定審査会(認定申請)へ
■ ネコ実験
水俣病の原因究明のため、猫に水俣湾で採れた魚などを餌として与え水俣病の発症の有無をみる実験。
■ 脳症状
発語障害、嚥下障害(食物を飲み下すことができない)、視力障害、歩行障害など。
■ 農薬説
新潟地震による津波で、信濃川河口付近の農薬倉庫から流出した農薬が阿賀野川の河口まで達し、その後、塩水楔(えんすいくさび)にのって阿賀野川を逆流して下流域を汚染したとの説。 |
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■は |
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■ 爆薬説
第2次世界対戦時に投棄された爆薬が原因とする説。
■ 病名変更を陳情
病名により水俣市民が差別をうけたことから病名変更の運動がおこった。
■ 病名を「水俣病」と指定
環境汚染により、食物連鎖を通して起こった有機水銀中毒という特異性から通常の有機水銀中毒と区別する意味もあり水俣病となった。
■ 普及啓発セミナー
1995年の政治解決に基づき、水俣病で日本が得た教訓を諸外国に伝えることが政府の主要な施策の一つとして実施されている。
■ ふるさとの環境づくり宣言
「すべての新潟水俣病被害者の方々が地域社会の中で安心して暮らしていけるようにすること、この悲劇を未来への教訓として生かしていくこと」を行政の責任とし、水俣病問題への対策強化を掲げている。 |
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■ 水俣市
熊本県最南端に位置する市。四大公害病の1つ、水俣病の発生地として世界的に知られた。
■ 水俣病
熊本県水俣市付近で発生したメチル水銀による中毒症。四大公害のひとつ。
■ 水俣病研究懇談会(田宮委員会)
業界団体が設置した懇談会。委員長を日本医学会会長の田宮雄氏が務めていたことから田宮委員会と呼ばれた。有機水銀説に対する異説として清浦教授らがアミン説を発表し、彼らの主張がそのままマスコミによって報道されたため、原因は未解明という印象を与えた。
■ 水俣病公式発見
水俣保健所に病気の報告があった1956年5月1日を水俣病公式発見の日としている。
■ 水俣病総合対策
健康管理事業と医療事業から成っていた。医療事業において、水俣病が発生した地域において、水俣病とは認定されないものの、水俣病にも見られる四肢末端の感覚障害のある人達に「医療手帳」または「保健手帳」が交付され医療費等の補助がおこなわれることとなった。ただし、申請は1回限りとされ、認定申請を行うと適用から除外された。
■ 水俣病総合対策医療事業における保健手帳の申請受付を再開
⇒今後の水俣病対策について
■ 水俣病総合調査研究連絡協議会
メチル水銀の発生原因など総合的調査を進めることを目的とした経済企画庁、通産省、厚生省、水産庁で構成される協議会。しかし、4回の会合を開催したが、結論が出ないまま自然消滅した。
■ 水俣病対策について
最終解決案の合意により「水俣病対策について」が閣議了解され、水俣病総合対策医療事業の申請受付が再開されることとなった。
■ 水俣病の主因をなすものはある種の有機水銀化合物である
部会では工場排水に原因があると考えていたが、排水による動物実験が行われていないことなどを理由に答申から水俣病と工場排水の関わりは除かれた。
■ 水俣病の認定に係る業務の促進について
水俣病に関にする高度の学識と豊富な経験に基づいて総合的に検討し、医学的にみて水俣病である蓋然性が高いと判断される場合に水俣病の範囲に含まれるとされた。
■ 見舞金契約
水俣病患者家族の団体と会社が交わした契約。会社(新日窒)は水俣病の原因と工場排水の因果関係が不明であることから原因施設であることを認めず、補償ではなく見舞金を支払うことに応じた。
また、この契約では、将来工場排水が原因であることが判明した場合でも、新たな補償金の要求は行わないことが盛り込まれていた。
■ 未来へ語りついで~新潟水俣病が教えてくれたもの~
⇒「新潟水俣病を伝える」ページでご確認ください
■ メチル水銀
水銀がメチル化された有機水銀化合物であり、ジメチル水銀とモノメチル水銀が知られており、いずれも毒性が強い。 |
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■ 有機水銀
水銀原子に炭素が結合した化合物の総称。有機水銀は無機水銀に比べて毒性が強く、世界中で有機水銀(特にメチル水銀)による中毒症の事例がある。 |
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■ 両抽出物質の構造はわずかに違っている
貝からはイオウ化合物(CH3HgSCH3)がスラッジからは塩素化合物(CH3HgCl)が検出されていた。
■ 連立与党
自民党・社会党・さきがけの3党からなる。村山富市首相。 |
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